日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2017年09月28日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
事業用資産の買換特例について検討しています。
買換特例適用時は他の税理士の先生が申告している案件なのですが、
納税者の方がその際の譲渡に関する情報について税理士に問い合わせても
詳細を教えてもらえず、納税者も判らず、こうなるといよいよ
どのような申告を行ったか判然としないわけですが、
とりあえず手の付けられるところからということで、
取得価額引継整理票の確認をしに税務署へ、
納税者の方同席で、取得価額引継整理票を確認したのですが、
税務署の記録もいまいちでして(^^;)
過去の裁決事例でも、取得価額引継整理票の記録が正しいか否かで
争われていますが、
取得価額引継整理票の位置って、法的な拘束力はなくて、
メモ程度のものなのですね。
ただし、記録をとっているからには、買換特例が適用された可能性は
とても高いことが推測されるわけですが
譲渡所得の計算で取得費を実額を使うか引継価格を使うか、
入念な確認・検討がものを言います
ちなみに、今まで対応していただいた税務署職員さんは全員、
取得価額引継整理票に基づく引継いだ取得価額等をご自身で計算してご提示くださいました、
なんとお優しい方が多いのでしょうか☆
2017年09月07日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
先日の日経新聞で、
無届け老人ホームについて取りあげられていました。
早期退院を実施する病院側で、やむなく
無届け老人ホームを紹介ケースも多いとか
無届け老人ホームに居住していた方の
相続税の申告をお手伝いする機会があったのですが、
そもそも、相続人の方も無届けであることを
認識していなかったので、入居施設の許認可の有無の調査の過程で
無届けであることが判明して驚かれていました
なぜ入居施設の届出の有無を調査していたかというと、
相続税の小規模宅地特例で、
被相続人の入居施設の届出の有無によって、
適用可否がかわってくることがあるからです
事前打ち合わせでは、当然に届出のある
施設とのお話をいただいていたのですが、
確認をすすめるにあたって、無届けである
ことが判明しました。
無届けであるから施設環境が劣悪ということは
かならずしも言えないですが、
目の行き届かない施設が多いのも事実のようです
しかし、相続税において
小規模宅地特例を適用出来るか否かは
税額が大きくかわりますので、
入居入所時に届出の有無の確認をするなど
注意が必要です
(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)
租税特別措置法施行令
第四十条の二
2 法第六十九条の四第一項に規定する居住の用に供することができない事由として政令で定める事由は、次に掲げる事由とする。
一 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第十九条第一項に規定する要介護認定又は同条第二項に規定する要支援認定を受けていた被相続人その他これに類する被相続人として財務省令で定めるものが次に掲げる住居又は施設に入居又は入所をしていたこと。
イ 老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第五条の二第六項に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、同法第二十条の四に規定する養護老人ホーム、同法第二十条の五に規定する特別養護老人ホーム、同法第二十条の六に規定する軽費老人ホーム又は同法第二十九条第一項に規定する有料老人ホーム
ロ 介護保険法第八条第二十七項に規定する介護老人保健施設
ハ 高齢者の居住の安定確保に関する法律第五条第一項に規定するサービス付き高齢者向け住宅(イに規定する有料老人ホームを除く。)
2017年09月01日|近藤会計
税務署との電話での一場面
近藤
「税理士の近藤です。いつもお世話になっております。」
税務署資産課税部門
「お世話になっております。」
近藤
「相続税の申告について相談したいんですが」
税務署資産課税部門
「はい、どうぞ」
近藤
「紛争中の案件なんですけど、相続税の申告義務ありで、遺言で甥っ子に全財産を遺贈しています。当初申告の申告期限は平成28年8月なんですが、失念しています。で、相続人から遺留分減殺請求を受けていましたが近々解決予定です。財産は受遺者と相続人で半分ずつになりそうです。これから期限後申告する予定なんですが、遺留分減殺請求後の最終的な決着による数字で申告していいですか?
順を追えば、当初申告は遺言をもって、受遺者が全部取得になるのですが、、、」
税務署資産課税部門
「そうですね、遺留分減殺請求後の決着した数字でいいです。順を追っても大変なだけなので」
この話が約3分、サックリ方向性が決まります。
ライバルですがツーカーで意思疎通できると、うれしくなります(^^)
2017年08月29日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
本日金融機関様のご招待で、民事信託のセミナーに参加しました。
講師は新井誠先生と、遠藤英嗣先生です
一番ハッとしたのは、信託契約の最大の機能ともいえる、倒産隔離機能についてのお話です。
そもそも自益信託で倒産隔離なんておかしい、という先生のご意見。
つまり受益権は差し押さえ対象となってしまうという話。
受託者からの倒産隔離とは別の話ということですよね
言われてみればそうなんですが、信託のメリットだけが強調されることが多いので忘れがちに
だって、他益信託している方なんてほとんどいないですよね
講義後には質問者より「今まで私は信託契約の大きなメリットとして倒産隔離機能をクライアントにお伝えして、利用を促していましたが改めないといけないのですね、」という話もあり、
ここらへん、中途半端な理解をされている方は私を含めて多いと思うので(いや私だけか(^^;))、注意が必要です。
また、信託契約後の専門家としてのフォローについて遠藤先生に質問があり、「一生フォロー、仮に自分が先に亡くなったことも想定し、他の専門家ネットワークを構築しておくこと」とのお話もありましたが、信託を実行しようとしている専門家は地方にはそんなにいないのが実状でして、さてさて
引き続き、信託について知識を深めていきたいと思います☆
2017年08月28日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
本日の税務通信の記事からですが、
新広大地通達とも言える、「地積規模の大きな宅地の評価」と宅地造成費の併用可能である(と推察される)
ことが掲載されましたが、
まさにこの論点について、
広大な地積の傾斜地や、潰れ地の生じない広大な畑(二方に面している)などは
「地積規模の大きな宅地の評価」通達を適用した方が、
評価額が低くなる可能性が、かなりの確率であり、
早まって、相続時精算課税制度を利用して広大地評価を確定させてしまうと、
相続税対策は失敗だったね、になってしまわないよう十分に検討する必要が出てきます。
ということで、今後はこれまで以上に
宅地造成費の控除額が、財産評価において重要度が増します。
といっても、実のところ平坦地の宅地造成費の見積は
税理士にとっては至難の業、
だって、例えば土盛りは50㎝なのか75㎝なのかなんて
わかりっこない、少なくとも高低測量あたりが必要になりますよね。
土地家屋調査士さんや造成業者さんのお力を
借りない限りは、適正な造成費は算定できません。
減額できる税額と専門家の費用との効果のバランスを見ながら、
信頼できる調査士さん達と、税務ルールに
のっとり造成費を見積もれるかどうか
がキーになりそうです。