日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2019年12月20日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
次は6月17日の裁決です。
審判所の判断より、
「納税申告は、~納税者義務者以外の者が、本人の承諾なく勝手に納税義務者の申告書を作成し提出した場合には、その納税申告は無効であると解される。もっとも、納税義務者以外の者が申告書を作成し提出した場合であっても、その者が、納税義務者から明示又は黙示に当該申告行為をする権限を与えられている場合は、その納税申告は有効であると解される」
という基本があり、
当該事例について、請求人が被相続人に対して明示又は黙示に本件精算課税申告書による申告行為をする権限を与えていたかどうか
被相続人がお膳立てしているとはいえ、請求人は被相続人に一任する形で、精算課税申告を含めた贈与税申告全般について、明示又は黙示に申告行為をする権限を被相続人に与えていたといえる、
と判断しています。
請求人は自身が相続時精算課税という制度を選択しているとは知らなかったのかもしれませんが、被相続人に包括的に委任していたのであれば、
申告自体は有効、ということになるようです。
2019年12月20日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
平成31年4月~6月分(裁決事例集No.115)の公表裁決の相続税関係は、贈与税が多いですね
まずは、6月27日裁決から
原処分の全部取消
贈与税の申告がされている資金移動以外の資金移動は贈与か立替金の精算か
状況から見て子供の立替金の精算と判断しています
「金銭消費貸借契約書が締結されていなかった事実のみをもって、請求人と父Eとの間に贈与についての黙示の合意があったと認めることはできない。」
いずれにしても意図しない税務署との争いを避けるには、
贈与契約書ないし金銭消費貸借契約書あるいは、立替金精算書なりの作成があるとベストだと思います、、、
2019年12月18日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
免税事業者はなぜ簡易課税制度選択届出書が提出できないのか前から気になっていたのですが、
なかなか調べる時間もなく、と思っていたら、条文の一番最初のカッコ書きに書いてあったのですね、
早く確認すれば良かったです。
わざわざカッコ書きにする必要ってあるんでしょうか(^^;消費税法読みづらい、、、
(中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例) 消費税法 一部抜粋
第37条 事業者(第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が、その納税地を所轄する税務署長にその基準期間における課税売上高が五千万円以下である課税期間についてこの項の規定の適用を受ける旨を記載した届出書を提出した場合には、当該届出書を提出した日の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間(その基準期間における課税売上高が五千万円を超える課税期間及び分割等に係る課税期間を除く。)については、第三十条から前条までの規定により課税標準額に対する消費税額から控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額は、これらの規定にかかわらず、次に掲げる金額の合計額とする。この場合において、当該金額の合計額は、当該課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。
(小規模事業者に係る納税義務の免除)消費税法
第9条 事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高が千万円以下である者については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税期間中に国内において行つた課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき、消費税を納める義務を免除する。ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
2019年12月09日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
相続税の納税地は、被相続人の死亡時における住所地の所轄税務署であることは一般的なことかと思いますが、
実はその取扱いは、当分の間、となっている怪をご紹介です。
いや、あまり意味のある紹介ではないのかもしれないのですが、当分の間っていつまでだろうと思ったりしまして、、、
(相続税の申告書の提出先)相続税基本通達
27-3 被相続人がその死亡の時において法施行地に住所を有する場合においては、当該被相続人から相続又は遺贈によって財産を取得した者が提出しなければならない相続税の申告書の提出先は、法附則第3項の規定によりすべて当該被相続人の死亡の時における住所地の所轄税務署長となるのであるから留意する。
(相続税法附則第3項)一部抜粋
3 相続又は遺贈により財産を取得した者の当該被相続人の死亡の時における住所がこの法律の施行地にある場合においては、当該財産を取得した者については、当分の間、第二十七条第一項若しくは第三項又は第二十九条第一項の規定により申告すべき相続税に係る納税地は、第六十二条第一項及び第二項の規定にかかわらず、被相続人の死亡の時における住所地とする。
(納税地)相続税法 一部抜粋
第62条 相続税及び贈与税は、第一条の三第一項第一号、第三号若しくは第五号又は第一条の四第一項第一号若しくは第三号の規定に該当する者については、この法律の施行地にある住所地をもつて、その納税地とする。
2019年12月07日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
最近、この論点の記事をよく目にするようになりました。
ある意味、民法改正で税務上、一番の影響だったりするのかもしれません。
配偶者居住権は注目されがちですが、実務上の登場回数はそれほど多くないように感じています。
ですが、遺留分侵害額の請求により金銭ではなく、相続した不動産を交付することは多いのではないでしょうか。
その際の課税を従前の遺留分減殺請求時と同じように相続税の範囲だね、としていたら大目玉をくらいかねませんので注意が必要です。
(遺留分侵害額の請求に基づく金銭の支払に代えて行う資産の移転)
33-1の6 民法第1046条第1項《遺留分侵害額の請求》の規定による遺留分侵害額に相当する金銭の支払請求があった場合において、金銭の支払に代えて、その債務の全部又は一部の履行として資産(当該遣留分侵害額に相当する金銭の支払請求の基因となった遺贈又は贈与により取得したものを含む。)の移転があったときは、その履行をした者は、原則として、その履行があった時においてその履行により消滅した債務の額に相当する価額により当該資産を譲渡したこととなる。