日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2020年07月29日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
税務当局は、滞納者が提供した担保が徴収すべき国税等に満たないときは、滞納者の他の財産について処分をすることができますが、
国税通則法52条4項より、担保として提供された財産をまずは処分しなければならないことになると思います。
国税不服審判所の公表裁決のうち延納のカテゴリーを見ていますが、延納許可の取り消し処分の取り消しを求めて争われているのですね、でも勝ち取るのは難しそうです、、、
国税通則法
(担保の処分)
第五十二条 税務署長等は、担保の提供されている国税がその納期限(第三十八条第二項(繰上請求)に規定する繰上げに係る期限及び納税の猶予又は徴収若しくは滞納処分に関する猶予に係る期限を含む。以下次条及び第六十三条第二項(延滞税の免除)において同じ。)までに完納されないとき、又は担保の提供がされている国税についての延納、納税の猶予若しくは徴収若しくは滞納処分に関する猶予を取り消したときは、その担保として提供された金銭をその国税に充て、若しくはその提供された金銭以外の財産を滞納処分の例により処分してその国税及び当該財産の処分費に充て、又は保証人にその国税を納付させる。
2 税務署長等は、前項の規定により保証人に同項の国税を納付させる場合には、政令で定めるところにより、その者に対し、納付させる金額、納付の期限、納付場所その他必要な事項を記載した納付通知書による告知をしなければならない。この場合においては、その者の住所又は居所の所在地を所轄する税務署長に対し、その旨を通知しなければならない。
3 保証人がその国税を前項の納付の期限までに完納しない場合には、税務署長等は、第六項において準用する第三十八条第一項の規定により納付させる場合を除き、その者に対し、納付催告書によりその納付を督促しなければならない。この場合においては、その納付催告書は、国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、その納付の期限から五十日以内に発するものとする。
4 第一項の場合において、担保として提供された金銭又は担保として提供された財産の処分の代金を同項の国税及び処分費に充ててなお不足があると認めるときは、税務署長等は、当該担保を提供した者の他の財産について滞納処分を執行し、また、保証人がその納付すべき金額を完納せず、かつ、当該担保を提供した者に対して滞納処分を執行してもなお不足があると認めるときは、保証人に対して滞納処分を執行する。
5 前項の規定により保証人に対して滞納処分を執行する場合には、税務署長等は、同項の担保を提供した者の財産を換価に付した後でなければ、その保証人の財産を換価に付することができない。
6 第三十八条第一項及び第二項、前節並びに第五十五条(納付委託)の規定は、保証人に第一項の国税を納付させる場合について準用する。
2020年07月26日|近藤会計
だいぶ新芽が出てきました、
根付いたかな?
税理士の近藤慎之助です
月刊税理2020年8月号 笹岡宏保先生の相当の地代通達の適用可否について
私が頭を悩ませていると、まさにその論点なんです、と言いたくなるような論点について見解を掲載していただく、そんな笹岡先生さまでございます
相当の地代についてまとめていても、相当の地代と通常の地代の間の微妙な賃貸借契約はどう評価するのか、笹岡先生の掲載が解決につながるかもしれません
賃貸借契約書上にはっきりと明記してくれていれば分かりやすいんですが、記載がないことの方が多いですし、当事者の認識も大事になるのでしょうが、担当者は今更何をということも多いと思いますから、
あとは契約当時の相続税評価額なりを把握するのも一山あったりと、、、
平成9年5月30日の裁決(納税者の主張である、借地権相当の控除を認めている)は争点主義(初めて聞く言葉です)により判断されたのであって、
笹岡先生の相続税評価額は別で推算例を論理的に解説されています、
契約当時に思いを馳せながら、相続人からのお話を聞き、感覚的に借地権や相当の地代を判断する、だと不十分ですよね(笑)
必読の内容ではないでしょうか!
2020年07月24日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
借地権設定時
・・・課税無し
借地権設定中
・地代改訂方式
・・・地価の上昇に応じて相当の地代を増額改訂することにより、借地権をゼロに近づける
・地代固定方式
・・・地価上昇時であっても相当の地代を固定することで、相当の地代が地価に比して低下地価上昇時には相当の地代を固定することで自然発生借地権が借地人に無償で帰属する
いや、地域的に地価の上昇が想定されないので、
地価の下落時に地代固定方式である場合には、どうなるのか、自然発生借地権は生じない、、、
「地価は上昇する」ことが前提の規定なので、下落は想定していないハッピーな規定ですね
賃貸借の終了
・地代改訂方式
・・・借地権はゼロなので返還でも立退料の支払いなどはないハズ
・地代固定方式
・・・借地権相当を立退料として収受すべきことになるハズ
相当の地代で契約後に、それは見せかけで、その後地代を引き下げることで権利金の認定課税を免れる行為を制限するため、法基通13-1-4がある
相当の理由とは、地代引き下げの代わりに権利金を授受することにした、借地権設定時と比較して地価が下落した場合等
いやはや、いつも感じていますが、
借地権の課税関係は契約書の確認を含めて難易度高いですね(>_<)
法人税法基本通達
(相当の地代を引き下げた場合の権利金の認定)
13-1-4 法人が借地権の設定等により他人に土地を使用させ、これにより相当の地代を収受した場合においても、その後その地代を引き下げたときは、その引き下げたことについて相当の理由があると認められるときを除き、原則としてその引き下げた時においてその時における当該土地の価額を基礎として13-1-3の算式に準じて計算した金額(既に権利金の一部を収受している場合又は13-1-3若しくは連結納税基本通達16-1-3《相当の地代を引き下げた場合の権利金の認定》により贈与があったものとして計算された金額がある場合には、これらの金額を控除した金額)に相当する金額を借地人等に対して贈与したものとする。
2020年07月23日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
被相続人の納税証明書なので、申告書申請書とは別ですが、
閲覧等の事務運営指針の手続が準用されているのでしょうか、
被相続人の納税証明書を発行するにも手続きがとても煩雑です
・被相続人の相続人が分かる資料 通常戸籍
・相続人全員の委任状(実印での押印)
・相続人全員の印鑑証明書
基本的に上記の様な書類等が必要になるようですが、
被相続人の過年度の申告状況を確認するにも相続人が数人いたりモメていると大変なので、
市町村の住民税の課税所得証明書等で当たりをつけた方が手続きとして簡便です、
市町村では相続人代表からの委任で大丈夫な市町村が多いのではないでしょうか
申告書等閲覧サービスの実施について(事務運営指針)
(2) 閲覧申請者が代理人の場合
代理人による閲覧申請については、上記(1)に掲げる書類のいずれかの提示を求めて代理人本人であることを確認するとともに、次のイ~ホに掲げる代理人の区分ごとに記載された書類のいずれかの提示(代理人が納税管理人の場合を除く。)を求めて、代理人であることを確認する。
さらに、様式1-2「委任状」及び印鑑証明の提出を求めて、申告書等を閲覧することについて納税者等から委任されている事実を確認する。
(注3) 死亡した個人が生前に提出した申告書等についての代理人からの閲覧申請は、相続人全員の委任状及び印鑑証明、死亡した個人と相続人全員の親族関係が把握できる相続関係証明書類の添付がある場合に限り、当該申告書を閲覧に供する。
なお、相続放棄している者がいる場合には、相続放棄の事実を書面(例:家庭裁判所が発行した相続放棄申述受理通知書又は相続放棄申述受理証明書)により確認する。この場合、当該相続放棄している者に係る委任は要しない。
2020年07月21日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
相続分の指定とは何なのか、そこから把握しなければならないのですが、
昔、遺言があり、その内容から相続分の指定があるものと思い、準確定申告書の記載を特定の相続人一人を記載したものを上司に見せたところ、
こうゆうことはしないよ、と言われて修正したものの、腑に落ちなかったのですが、今なら何となく分かります、遺産分割方法の指定としてのニュアンスが近かったのかもしれないなと、
指定相続分について争いがある場合や、相続分の指定なのか遺産分割方法の指定等なのか不明確な場合には、無申告の状態を避ける点からも法定相続分によるほうが実務上の解決策としてベターなのかもしれません
そして一番大事なのは、この論点は一度立ち止まって考える必要があるということ、なのかもしれません(^^;
国税通則法基本通達
~
相続人が2人以上ある場合の承継税額
(承継国税額のあん分の割合)
8-2 この条第2項の規定の適用については、遺言による相続分の指定がない限り、民法第900条及び第901条の規定により算出した相続分(以下この条関係において「法定相続分」という。)による。
(包括遺贈等の割合)
9 包括遺贈の割合または包括名義の死因贈与の割合は、この条第2項の指定相続分に含まれるものとする。
(指定相続分と遺留分との関係)
10 相続分の指定が、民法の遺留分に関する規定に違反しているものであっても、この条第2項の規定の適用については、その指定相続分による。
(指定相続分が明らかでない場合)
12 相続分を指定した遺言の効力について争いがある等のため、指定相続分が明らかでない場合におけるこの条第2項の規定の適用については、法定相続分によることに取り扱う。