日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2020年07月14日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
相続時精算課税の相談は良く受けるけれども、死因贈与の相談はまずありませんが、
状況から見て死因贈与の方が良い場合もあります
相続税関係を中心に相続時精算課税と死因贈与の違いを確認したいと思います
相続時精算課税
・相続税の課税対象
・生前贈与時点で価格が固定される
・小規模宅地等の特例は対象外となってしまう
・登録免許税、不動産取得税は生前贈与と同じ
死因贈与
・相続税の課税対象
・相続開始時の評価、つまり通常の相続税評価
・(要件を満たせば)小規模宅地等の特例適用有り
・登録免許税、不動産取得税は生前贈与と同じ
※死因贈与の名義変更登記に関して、死因贈与契約書が公正証書か、また執行者指定の有無により手続が異なり、基本的には公正証書で執行者指定有が好ましいようです
こう見ますと、死因贈与の利点として小規模宅地等の特例が適用される点が一番大きいでしょうか、手続きが煩雑なのは否めません
相続時精算課税は生前贈与時点で価格が固定されるので、土地の評価通達の改正などがある場合に価格を固定するのに利用されたりしますが、頻度はそう多くないかと
収益物件や、今後活用を考えている土地建物については、早めの所有権確保のため相続時精算課税による生前贈与も魅力的です
相続税の課税対象となる可能性がある方は、相続時精算課税制度より死因贈与を選択した方が、小規模宅地等の特例の適用可能性を見ても良い場合が多いかもしれません
租税特別措置法
(在外財産等についての相続税の課税価格の計算の特例)
第六十九条の二 相続又は遺贈(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下第七十条の八の二までにおいて同じ。)
(小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例)
第六十九条の四 個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに、~
2020年07月13日|近藤会計
6月、7月に立て続けに公表されましたので、ご参考までに
コロナによる株価の下落はどの程度反映されるのかと思いましたがしっかりと反映されていました
類似業種比準価額 令和2年4月まで
特定生産緑地の取り扱いなどについて、
生産緑地の評価について所要の改正
成年が20歳から18歳へ
未成年者控除、配偶者居住権と小規模宅地等特例の改正通達
まさか総合課税とは、、、
配偶者居住権が総合課税の譲渡所得である通達 P9からP31
(分離課税とされる譲渡所得の基因となる資産の範囲)
31・32共-1 措置法第31条第1項又は第32条第1項(同条第2項において準用する場合を含む。)の規定により分離課税とされる譲渡所得の基因となる資産は、次に掲げる資産に限られるから、鉱業権(租鉱権及び採石権その他土石を採掘し又は採取する権利を含む。)、温泉を利用する権利、借家権、土石(砂)などはこれに含まれないことに留意する。
(1) 土地若しくは土地の上に存する権利又は建物及びその付属設備若しくは構築物(以下「土地建物等」という。)
(2) 事業又はその用に供する資産の譲渡に類するものとして措置法令第21条第4項第2号に掲げる株式等(措置法第32条第2項に規定する株式等をいう。)のうち措置法令第21条第3項各号に掲げるもの
2020年07月12日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
相続税の小規模宅地等の特例のうちいわゆる家なき子の要件をあらためて確認していたのですが、
気になった点をいくつか
次の(1)から(6)の要件を全て満たすこと
(1) 居住制限納税義務者又は非居住制限納税義務者のうち日本国籍を有しない者ではないこと
(2) 被相続人に配偶者がいないこと
(3) 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと
⇒「相続人」なので、相続人以外が居住していたとしても特例適用の可能性がある
(4) 相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族又は取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと
⇒「居住した」なので、所有していただけであれば特例適用の可能性がある
⇒(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)・・・相続開始前3年以内に、同居していた親族が転勤などにより社宅住まいになった場合等を想定した括弧書き
(5) 相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと
⇒「居住している」なので、相続開始時に一般的な借家等に居住しているときは特例適用の可能性がある
(6) その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること
2020年07月12日|近藤会計
ホタルブクロ
税理士の近藤慎之助です
土地評価の不整形補正率ですが、
大工場地区って、原則不整形補正を行わないって、ビックリです
大工場地区ってほとんどないので久しぶりに扱うとあらてめて驚きます
ただし約9000㎡までの土地については、中小工場地区の区分により補正OKとのことで
地主さんであったとしても、さすがにいずれの工場の敷地を9000㎡も単独所有していないでしょうから、
結果として補正OKになることが多いのではないでしょうか
また、大工場地区は当然に地積規模の大きな宅地評価は対象外ですのであわせてご確認下さいm(_ _)m
2020年07月08日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
空家の3000万円特別控除の主だった注意点をまとめておこうかと、、、
とりとめのない列挙方式です、
1.被相続人が居住していた家屋が昭和56年5月31日以前建築の旧耐震基準建築物であること
2.居住の用に供されていた家屋には一定の要件を満たせば、被相続人が老人ホーム等に入所していたも、従前居住用家屋が該当しますが、その際の要介護又は要支援認定等を受けているタイミングは「被相続人居住用家屋が被相続人の居住の用に供されなくなる直前において、被相続人がその認定を受けていたかにより判定します。」つまり、老人ホームへの入所直前までに受けていることが要件になる。小規模宅地等の特例とはタイミングが異なる
3.居住用財産の3000万円特別控除と異なり、離れ等の敷地は適用対象外
4.被相続人居住用家屋には被相続人以外は居住していないこと
5.家屋と敷地を共に相続取得しないと、敷地は対象外となります
6.土地の引渡し前に家屋を取り壊していること
7.家屋の取壊し前後の写真を忘れないようにすること
8.相続時から譲渡時まで、事業用、貸付用、居住用に供されていないこと
9.生計別の兄弟等への譲渡でも他の要件を満たせば適用可能
10.相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月末までに譲渡すること
11.相続税の取得費加算と選択適用