日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2020年10月15日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
質疑応答事例はよく見ると、種々の事例に応用できたりしますし、さらっと大事な解釈が記載されていたりすると思っています
たまに読み返した方が良いのでしょうが、実際にはそこまで時間がとれるわけではなく、、、
リンクした事例もあらためて見ると、たくさんの論点に気が付きます
夫婦で養子に入る事例はたくさんありますが、
養子となったタイミングはたいていが同じ時期です
この事例は夫婦で養子に入ったタイミングが違う点がミソではないでしょうか
そして、夫婦の養子入りの間の期間に子供が生まれていると
養子の子の代襲相続についてですが、
代襲相続人の要件の一つとして次のように理解しています
”代襲相続人は相続人の直系卑属であると同時に被相続人の直系卑属であること”
そして、養子と養親の間には、養子縁組成立の日から法律上の嫡出親子関係が生ずるため、
つまり、養子縁組後に生まれた養子の子は、養子を通じて養親との間にも親族関係が生ずることから、
事例のように丙を通じて養子の子が被相続人の直系卑属に当たれば、
たとえ乙の養子縁組日で見たときに縁組前出生であったとしても、乙の代襲相続人となり、税法上実子とみなして相続税を計算することになると、
相続税法第15条第3項の規定により実子とみなされる養子の範囲
民法
(嫡出子の身分の取得)
第八百九条 養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。
(子及びその代襲者等の相続権)
第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
相続税法
(遺産に係る基礎控除)
第十五条
3 前項の規定の適用については、次に掲げる者は実子とみなす。
一 民法第八百十七条の二第一項(特別養子縁組の成立)に規定する特別養子縁組による養子となつた者、当該被相続人の配偶者の実子で当該被相続人の養子となつた者その他これらに準ずる者として政令で定める者
二 実子若しくは養子又はその直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため民法第五編第二章の規定による相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)となつたその者の直系卑属
2020年10月14日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
平成27年1月1日以後の贈与については、特定贈与者の推定相続人ではない孫も相続時精算課税が適用できることになっているので、相続人以外の相続時精算課税適用者の確認も必要になっています。
そして、その者が2割加算対象者であるか今一度確認しないといけませんね!
また、代襲相続人が相続放棄した場合には「代襲して相続人となった当該被相続人の直系卑属」に該当しないことになるので、2割加算対象となる、というのには驚きです、
あまり事例としては考えづらいですが、念のため
相続税法
(相続税額の加算)
第十八条 相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族(当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつた当該被相続人の直系卑属を含む。)及び配偶者以外の者である場合においては、その者に係る相続税額は、前条の規定にかかわらず、同条の規定により算出した金額にその百分の二十に相当する金額を加算した金額とする。
2 前項の一親等の血族には、同項の被相続人の直系卑属が当該被相続人の養子となつている場合を含まないものとする。ただし、当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつている場合は、この限りでない。
(相続又は遺贈により取得したものとみなす場合)
第三条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該各号に掲げる者が、当該各号に掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみなす。この場合において、その者が相続人(相続を放棄した者及び相続権を失つた者を含まない。第十五条、第十六条、第十九条の二第一項、第十九条の三第一項、第十九条の四第一項及び第六十三条の場合並びに「第十五条第二項に規定する相続人の数」という場合を除き、以下同じ。)であるときは当該財産を相続により取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす。
2020年10月13日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
令和2年2月13日裁決
税理士から税務代理を断られて以降、会計帳簿を作成しておらず、かつ確定申告書を提出していない状況で
その後3名、4名の税理士に依頼しても誰も引き受けてくれなかったという、、、何が原因だったのか、ある程度は想像できますが
調査担当職員から請求書などの提示を求められたが、請求書などの書類は全て捨てて、帳簿は作成していないと、回答していると、
しかし、翌日、翌々日に、手元にある資料を調査担当職員に提示している
何人もの税理士に依頼していたくらいだから、申告の意思はあったのだろうと推測されること、
請求書などの書類の提出も、おそらく無いなりに調査担当職員の指示に従い提示していたこと、
等を総合勘案すると、税を逃れようとする確定的な意思に基づいて無申告を貫こうとしていた、とまでは言えないため、
隠ぺい又は仮装した事実は認められないとしています
つまり、すごくルーズだった、ということなんでしょうね
(かなりかみ砕いています、あしからずm(__)m)
2020年10月12日|近藤会計
フラワーガーデンにて秋バラ♪
税理士の近藤慎之助です
10月9日、山田俊一先生の研修を受けて、
清算型遺贈については、税務大学校の換価遺言の論文があったように思います、
確か実質所得者課税により、例えば特定受遺者である相続人ではない個人が譲渡所得の申告を、といった内容だったと思うのですが、、、(違ったらすみません)
実質所得者課税の方が理屈も分かりやすく、実務的な解決も容易なのでむしろありがたいと思ったりして、しかし
私の尊敬する先生方は、どうも違和感があるようで、
何が違和感なのか私には十分に理解できないのですが、
被相続人の遺志で処分し値上がり益を実現させたのだから、譲渡所得が帰属すべきは被相続人であり、納税義務を承継するのは相続人という感覚なのでしょうか、、、
この考えは包括遺贈であっても同じなのでしょうか、、、包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有するから、包括遺贈の場合はの納税義務の承継者は受遺者?
疑問は尽きません、、、とりあえず保留になりそうです
私の頭の中でまずは清算型特定遺贈と清算型包括遺贈とわけないと間違えそうです
2020年10月09日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
令和2年分1月~3月分(裁決事例集No.118)から、食わず嫌いはいけないので、全件確認してみようと思いたち、
とりあえず1回目ですが、どこまで続くのやら、、、
全件といっても難しすぎるのはパスさせてもらうかもしれませんが、気持ちは全件ということで(笑)
令和2年2月19日裁決より
最近の傾向から、重加算税が取り消されたのかと思いきや、重加算税案件でした
幼稚園等のスポーツインストラクターを個人事業主として営む請求人ということで、なんだか身近に感じています
売上月100万は超えていて年1000万は超えているハズなのに、売上金を過少に申告し、かつ、過少な売上金に合わせる形で、税務署調査用の帳簿を作成、提示していることから、真実の所得金額を隠蔽し、虚偽の帳簿書類を複数回作成するといった隠ぺい行為が、重加算税の賦課要件を満たすと判断されています
消費税に関しても、上記売り上げの過少申告は、消費税の納税義務を意識したもので、消費税の納税を避けるための一連の行為と推測されることから、重加算税の賦課要件を満たす
一点、気になったのは、
審判所の判断の法令解釈
「~上記の重加算税制度の趣旨に鑑みれば、架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在したことまで必要であると解するのは相当でなく、納税者が、当初から所得を過少に申告すること、又は法定申告期限までに申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき、過少申告をし、又は法定申告期限までに申告をしなかったような場合には、重加算税の賦課要件が満たされるものと解するのが相当である。」
これは必要なんでしょうか?
通則法68条2項
(重加算税)
第六十八条 第六十五条第一項(過少申告加算税)の規定に該当する場合(修正申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の三十五の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。
2 第六十六条第一項(無申告加算税)の規定に該当する場合(同項ただし書若しくは同条第七項の規定の適用がある場合又は納税申告書の提出が、その申告に係る国税についての調査があつたことにより当該国税について更正又は決定があるべきことを予知してされたものでない場合を除く。)において、納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し、その隠蔽し、又は仮装したところに基づき法定申告期限までに納税申告書を提出せず、又は法定申告期限後に納税申告書を提出していたときは、当該納税者に対し、政令で定めるところにより、無申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額(その税額の計算の基礎となるべき事実で隠蔽し、又は仮装されていないものに基づくことが明らかであるものがあるときは、当該隠蔽し、又は仮装されていない事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除した税額)に係る無申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額に百分の四十の割合を乗じて計算した金額に相当する重加算税を課する。