日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2021年12月05日|近藤会計
小田原の税理士の近藤新之助です。
使い勝手がいいはずなのに、あまり利用されていないと思われる所得税の税額控除制度
制度自体は昔からあるのですが、周知されていないような気がします。
リフォーム業界的にもっと宣伝した方が良いように思いますが、どうなんでしょう、、、
以下、財務省の資料の抜粋です。
居住家屋について一定の省エネ改修工事(同時に設置する太陽光発電装置の設置工事を含む。)、バリアフリー改修工事、三世代同居対応改修工事又は耐震改修工事若しくは省エネ改修工事と併せて行う耐久性向上改修工事をして、その家屋を個人の居住の用に供した場合において、その年分の合計所得金額が3,000万円以下であるときは、標準的な費用の額の10%相当額をその年分の所得税額から控除する。
1 バリアフリー改修工事
①廊下の拡幅、②階段の勾配の緩和、③浴室改良、④便所改良、⑤手すりの設置、⑥屋内の段差の解消、⑦引き戸への取替え工事、⑧床表面の滑り止め化
(注) 特定の個人とは、①50歳以上の者、②要介護又は要支援の認定を受けている者、③障害者である者、④その者の親族のうち②若しくは③に該当する者又は65歳以上の者のいずれかと同居している者をいう。
2 省エネ改修工事
①居室の窓の改修工事(必須)、②床の断熱工事、③天井の断熱工事、④壁の断熱工事、⑤一定の太陽光発電装置設置工事、⑥一定の太陽熱利用冷温熱装置等の設置工事(①~④については、改修部位の省エネ性能がいずれも一定の基準以上となるもの)で次のもの
イ 全ての居室の窓全部の改修工事を行うもの
ロ 居室の窓の改修工事を行うもので、改修後の住宅全体
の省エネ性能が一定の基準以上となるもの
3 三世代同居対応改修工事
①キッチン、②浴室、③トイレ、④玄関の増設工事(リフォーム後はいずれか2つ以上が複数となること)
4 耐久性向上改修工事(耐震改修工事又は省エネ改修工事と併せて行うものに限る)
①小屋裏、②外壁、③浴室、脱衣室、④土台、軸組等、⑤床下、⑥基礎若しくは⑦地盤に関する劣化対策工事又は⑧給排水管若しくは給湯管に関する維持管理若しくは更新を容易にするための工事
上記のそれぞれの改修工事の標準的な費用の額(補助金等控除後)が50万円超のものが対象。
2021年12月04日|近藤会計
所得税の確定申告も近いので、記録も兼ねて、、、
証券会社による投資一任契約であるファンドラップによる株式売買の所得区分ですが、
※ファンドラップにするメリットは投資家のニーズによりきめ細やかに対応できる、ということになっています
まず、株式等の譲渡による所得は、事業所得、雑所得、譲渡所得と3区分のどれかとなります。
譲渡所得だけではないことに注意が必要です。
どの所得に区分されるかは、株式等の譲渡が営利を目的として継続的に行われているかどうかにより判定することが大原則で、、、
いや、このあたりの記載は質疑応答事例と同じになってしまいますが、
例えば次に掲げる株式等の譲渡による部分の所得については、譲渡所得として取り扱って差し支えない、としています。
上場株式・・・所有期間が1年超に渡るものの所得は譲渡所得
上場以外・・・譲渡所得
ファンドラップに関しては、顧客が報酬を支払って証券会社などに投資判断を一任し、契約期間中に営利を目的として継続的に上場株式等の売買を行っているものと判断して、その所得区分は
事業所得又は雑所得にあたると考えられています。
私が思いつく当該論点の問題としては、➀相続税の取得費加算の論点でしょうか。
その論点は相続税の取得費加算のタックスアンサーにも注意書きとして記載されています。
納税者で、ファンドラップが株式の譲渡所得ではなく、事業所得または雑所得になることを把握している方がいるのかどうか、
そもそも、ファンドラップ自体を投資信託の一つ程度に思っている納税者も多いように感じます
納税者を置き去りにしているような論点だと思いますね、、、
措置法通達 第37条の10
株式等の譲渡に係る所得区分)
37の10・37の11共-2 株式等の譲渡(措置法第37条の10第4項各号又は第37条の11第4項各号に規定する事由に基づき一般株式等に係る譲渡所得等又は上場株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなされる場合を含む。以下この項において同じ。)による所得が事業所得若しくは雑所得に該当するか又は譲渡所得に該当するかは、当該株式等の譲渡が営利を目的として継続的に行われているかどうかにより判定するのであるが、その者の一般株式等に係る譲渡所得等の金額又は上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上、次に掲げる株式等の譲渡による部分の所得については、譲渡所得として取り扱って差し支えない。(平27課資3-4、課個2-19、課法10-5、課審7-13追加)
(1) 上場株式等で所有期間が1年を超えるものの譲渡による所得
(2) 一般株式等の譲渡による所得
No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
[令和3年4月1日現在法令等]
1 相続税が取得費に加算される特例(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)
(1) 特例の概要
相続又は遺贈により取得した土地、建物、株式などの財産を、一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができます。
(注) この特例は譲渡所得のみに適用がある特例ですので、株式等の譲渡による事業所得及び雑所得については、適用できません。
2021年12月03日|近藤会計
消費税は届け出関係ですから、割愛しまして、
所得税から
1.相続取得後の相続人初の減価償却、取得価額を未償却残高で登録してしまうことはどこかで聞いた話ですね、減価償却でまず最初にチェックする点です。
2.特定期間に取得した土地等の譲渡の1000万円控除特例は気を付けないといけないですね。私も机前の壁に貼り付けています。忘れた頃に、というやつです
相続税は
小規模宅地等の特例の適用判定誤りや借地権の遺産への計上漏れによる小規模宅地等の特例の適用判定誤り等ありますが、
1.遺産未分割での申告後の小規模宅地等の特例の更正の請求について、分割後3年以内にすればよいと、資料を受け取っていたにも関わらず4ヵ月の期限を徒過したと。修正申告や更正の請求は資料をもらい次第、最優先ですすめる必要がありますね。4ヵ月も待っていてはいけないと思います。
2.相続時精算課税の贈与者の年齢制限について贈与時は60歳であったが、贈与年の1月1日時点では59歳であったと。たまたまではありますが、ちゃんと確認が必要ですね。
相続税法
(相続時精算課税の選択)
第二十一条の九 贈与により財産を取得した者がその贈与をした者の推定相続人(その贈与をした者の直系卑属である者のうちその年一月一日において二十歳以上であるものに限る。)であり、かつ、その贈与をした者が同日において六十歳以上の者である場合には、その贈与により財産を取得した者は、その贈与に係る財産について、この節の規定の適用を受けることができる。
2021年12月03日|近藤会計
気持ちの面も含めてコロナなどに追われ、約一年ぶりの投稿となります。
令和3年の年末に向けて、消費税のインボイス制度、電子取引データの保存等について、暦年贈与の改正について
たくさんの論点がワッと盛んになってきたように感じます。
コロナを受けて税制もここから何年かかけて大きく変わっていくかもしれないですね。
令和3年の税理士賠償保険の状況を確認します。
支払金額別トップは法人税1件で2億8千万 あれ、これって、DESスキームで争っていた例のですかね、、、
以下消費税、法人税が4件 合計で2億7千万 1件7000万円ほどでしょうか
主な事故原因は
ダントツで消費税 簡易課税選択届出書、あるいは簡易課税不適用届出書の提出失念 毎年安定して事故が発生しています、十分に気を付ける必要があります。
そのほか気になる点として、
・配当所得の申告不要制度の手続き失念による住民税の過大納付 この論点で納税者と争うこともあるのですね。
・非居住者となる前年の特定口座内取引に関する源泉徴収選択の助言誤りによる住民税の過大納付 恐ろしい論点ですね、配当金額が多額なのでしょうか。とにかく非居住者に関する相談は十分に気を付けないといけないということです
・簡易課税制度選択不適用届出書は提出していないが、事業廃止届出書を提出していたことから簡易課税も不適用となっていたと、逆に配慮しすぎたということでしょうか。こんなこともあるんだね、ということが現実に起こりえます。
詳細論点は次より確認します。