日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2022年03月14日|近藤会計
住宅耐震改修工事をした場合の所得税の特別控除制度について
地震が相次いだことから導入された耐震改修促進税制ですが、
自宅が店舗などとの併用住宅であった場合の取り扱いはどこをみても
条文が確認できません
となると、ほかの条文などを参考に常識的に判断するのであれば、
居住用として2分の1以上を利用していれば適用できるのではないかと思ったのですが、あまり根拠もなく
とりあえず市町村の耐震改修証明書が必要になるので小田原市役所に聞いてみたところ、
この証明書を発行するには耐震改修費補助金を受けていることが前提となっており、
この補助金を受けるには
「昭和56年5月31日以前に建築基準法による建築確認を得て建築工事に着手した一戸建て住宅(店舗等の用途を兼ねるものであって、当該店舗等の用に供する部分の床面積が延べ面積の2分の1未満のものを含む)」
(小田原市hp抜粋)
となっているので、どうやら小田原市内での特例の適用は、居住用として2分の1以上の利用が前提となっているようだ、という結論に至りましたが、、、
他の市町村どうなんでしょうか??
租税特別措置法 抜粋
(既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除)
第四十一条の十九の二 個人が、平成二十六年四月一日から令和三年十二月三十一日までの間に、その者の居住の用に供する家屋(昭和五十六年五月三十一日以前に建築されたもので政令で定めるものに限る。第三項において「居住用の家屋」という。)の耐震改修(地震に対する安全性の向上を目的とした増築、改築、修繕又は模様替をいう。)として財務省令で定めるところにより証明がされたもの(以下この項から第三項まで及び次条第六項において「住宅耐震改修」という。)をした場合には、その者のその年分の所得税の額から、当該住宅耐震改修に係る耐震工事の標準的な費用の額として政令で定める金額(当該住宅耐震改修の費用に関し補助金等(国又は地方公共団体から交付される補助金又は給付金その他これらに準ずるものをいう。以下この項並びに同条第一項、第三項、第五項及び第六項において同じ。)の交付を受ける場合には当該金額から当該補助金等の額を控除した金額(以下この項並びに同条第六項及び第八項において「耐震改修標準的費用額」という。)とし、当該耐震改修標準的費用額が耐震改修工事限度額を超える場合には当該耐震改修工事限度額)の十パーセントに相当する金額(当該金額に百円未満の端数があるときはこれを切り捨てる。)を控除する。
2 前項に規定する耐震改修工事限度額は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額とする。
一 住宅耐震改修に要した費用の額に含まれる消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額のうちに、当該住宅耐震改修に係る課税資産の譲渡等につき新消費税法第二十九条に規定する税率により課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額の合計額に相当する額が含まれている場合 二百五十万円
二 前号に掲げる場合以外の場合 二百万円
3 第一項の規定は、確定申告書に、同項の規定による控除を受ける金額についてのその控除に関する記載があり、かつ、当該金額の計算に関する明細書及び同項に規定する家屋の所在地の地方公共団体の長その他財務省令で定める者の居住用の家屋が同項の住宅耐震改修をした家屋である旨その他の財務省令で定める事項を証する書類その他財務省令で定める書類(次項において「耐震改修証明書」という。)の添付がある場合に限り、適用する。
租税特別措置法施行令 抜粋
(既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除)
第二十六条の二十八の四 法第四十一条の十九の二第一項に規定する政令で定める家屋は、昭和五十六年五月三十一日以前に建築された家屋であつて、その者の居住の用に供する家屋とし、その者がその居住の用に供する家屋を二以上有する場合には、これらの家屋のうち、その者が主としてその居住の用に供すると認められる一の家屋に限るものとする。
参考に、41条の19の3の条文も確認
(既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除)
第四十一条の十九の三 第四十一条の三の二第一項に規定する特定個人(以下この条において「特定個人」という。)が、当該特定個人の所有する同項に規定する居住用の家屋(以下この条において「居住用の家屋」という。)について高齢者等居住改修工事等(当該高齢者等居住改修工事等の標準的な費用の額として政令で定める金額(当該高齢者等居住改修工事等の費用に関し補助金等の交付を受ける場合には、当該金額から当該補助金等の額を控除した金額。以下この項において「標準的費用額」という。)が五十万円を超えるものであることその他の政令で定める要件を満たすものに限る。)をして、当該居住用の家屋(当該高齢者等居住改修工事等に係る部分に限る。以下この項において同じ。)を平成二十六年四月一日から令和三年十二月三十一日までの間にその者の居住の用に供した場合(当該居住用の家屋を当該高齢者等居住改修工事等の日から六月以内にその者の居住の用に供した場合に限る。)には、当該特定個人のその居住の用に供した日の属する年分の所得税の額から、標準的費用額(当該標準的費用額が改修工事限度額を超える場合には、当該改修工事限度額)の十パーセントに相当する金額(当該金額に百円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を控除する。
租税特別措置法施行令
(既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除)
第二十六条の二十八の五
10 法第四十一条の十九の三第六項に規定する耐震改修標準的費用額が五十万円を超えるものであることその他の政令で定める要件を満たすものは、次に掲げる要件を満たす工事とする。
一 法第四十一条の十九の三第六項の住宅耐震改修(以下この項において「住宅耐震改修」という。)の同条第六項の耐震改修標準的費用額が五十万円を超えること。
二 住宅耐震改修をした家屋の当該住宅耐震改修に係る部分のうちにその者の居住の用以外の用に供する部分がある場合には、当該居住の用に供する部分に係る当該住宅耐震改修に要した費用の額が当該住宅耐震改修に要した費用の額の二分の一以上であること。
三 住宅耐震改修をした家屋が、その者のその居住の用に供される第三項第三号イ又はロに掲げる家屋(その家屋の床面積の二分の一以上に相当する部分が専ら当該居住の用に供されるものに限る。)のいずれかに該当するものであること。
四 住宅耐震改修をした家屋が、その者が主としてその居住の用に供すると認められるものであること。
2022年03月13日|近藤会計
国税速報令和4年3月7日号 QA疑問相談の記事より
紹介されている事例の前提として
一次相続・・・未分割
二次相続・・・申告期限内に分割確定
その後一次相続が分割確定時に更正の請求が可能か、
ということで、二次相続は申告期限内に分割が確定しているという前提を注意してみないといけないのではないでしょうか
一次相続は未分割だったけど、二次相続は分割が確定した、という状況の方が珍しいかと思います
通常は一次が決まらなければ、二次も未分割です
区分けとして
一次相続 -- 未分割 --- 二次相続 未分割(通常こっちが多い)
\ \ -- 二次相続 分割確定(今回の事例)
\
- 分割確定 -- 二次相続 未分割
\ -- 二次相続 分割確定
また、事例の話がすべて5年以内にまとまった状況も考えておく必要があるかと思います
2022年03月06日|近藤会計
低未利用地の譲渡の特例について
今年お初となります
500万円以下の譲渡対価ですから案件は限られると思いますが、
少額の譲渡にかかる譲渡税や社会保険もバカにならない金額でして、
これだけの譲渡でそんなに譲渡税・社会保険取られるの!というお気持ちも多いですから
忘れないようにしたいところです
市町村の確認書が必要になるので適用には時間の余裕をもって手配が必要です
必要書類は市町村によって違うのかもしれませんが、
仲介業者さんの更地等であったことが表示されている広告 等があるようで
このあたりは不動産業者さんとすり合わせが必要です
下記は小田原市の必要書類等になります
一応、宥恕規定あります
租税特別措置法
(低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除)
第三十五条の三 個人が、都市計画法第四条第二項に規定する都市計画区域内にある土地基本法(平成元年法律第八十四号)第十三条第四項に規定する低未利用土地(以下この項及び次項第二号において「低未利用土地」という。)又は当該低未利用土地の上に存する権利(以下第四項までにおいて「低未利用土地等」と総称する。)で、その年一月一日において第三十一条第二項に規定する所有期間が五年を超えるものの譲渡を令和二年七月一日から令和四年十二月三十一日までの間にした場合(当該譲渡の後に当該低未利用土地等の利用がされる場合に限る。)には、その者がその年中にその譲渡をした低未利用土地等の全部又は一部につき第三十三条から第三十三条の三まで、第三十六条の二、第三十六条の五、第三十七条、第三十七条の四又は第三十七条の八の規定の適用を受ける場合を除き、これらの全部の低未利用土地等の譲渡に対する第三十一条の規定の適用については、同条第一項中「長期譲渡所得の金額(」とあるのは、「長期譲渡所得の金額から百万円(長期譲渡所得の金額のうち第三十五条の三第一項の規定に該当する同項に規定する低未利用土地等の譲渡に係る部分の金額が百万円に満たない場合には、当該低未利用土地等の譲渡に係る部分の金額)を控除した金額(」とする。
5 税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載若しくは添付がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出又は記載若しくは添付がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、当該記載をした書類及び同項の財務省令で定める書類の提出があつた場合に限り、第一項の規定を適用することができる。
2022年03月05日|近藤会計
当たり前のように処理していることがふと、なんでだっけと思うことはたくさんあります
住宅ローン控除の家屋の取得対価はなぜ消費税を含めて計算するのだったかなと
どの条文等に書いてあったかと
探したのですが、時間内に見つからず、
結局は趣旨からして、住宅ローン自体も消費税を含めた建築取得価格を基にしているわけだから、消費税は含んで良いのだと、強引に自分を納得させます
それでも住宅借入金等特別控除の手引きにも同じ理解での記載例となっていますから一安心ではありますが
例えば9ページあたりから参考になります
令和3年分 住宅借入金等特別控除を受けられる方へ
(税込み)とか書いてあると分かりやすいんですけどね(笑)
もし条文をご存じでしたら教えてください、、、、えっ、常識過ぎて書かれていないってこと?
なお、特別特定取得の場合の11年目以降の控除限度額については、建物の対価の額等から消費税等を控除した残額を比較の基準にしていたりします。
このあたりからも、その他は税込み発想ということは分かります。
2年目以降の住宅ローン控除は勤務先で年末調整にて手続するわけですが、このあたり、適正に計算するのは難しすぎませんか、、、
また、特別特例取得についても勘違いしそうなので念のため、この用語は新型コロナ税特法に関するもので、特別特定取得とは別物です
租税特別措置法
(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)
第四十一条
15 第十三項の控除限度額は、当該住宅の取得等で特別特定取得(前項に規定する特別特定取得をいう。次項及び第十七項において同じ。)に該当するものに係る対価の額又は費用の額から当該住宅の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を控除した残額として政令で定める金額(当該金額が四千万円を超える場合には、四千万円)に二パーセントを乗じて計算した金額を三で除して計算した金額とする。
2022年02月27日|近藤会計
確定申告時期なので、忘れがちな点として自分の記録として念のため、
相続発生時の配偶者控除と寡婦・ひとり親控除の双方適用は可能です
リンク先の内容そのままで恐縮ですが、、、
質疑応答事例でも通達でも手当されているようで、結構手厚かったのですね
所得税基本通達
(配偶者控除を受ける場合の寡婦控除)
80-1 年の中途において夫と死別した妻でその年において寡婦に該当するものについては、たとえその者が死別した夫につき配偶者控除の規定の適用を受ける場合であっても、寡婦控除の規定の適用があることに留意する。
(配偶者控除を受ける場合のひとり親控除)
81-1 年の中途において夫又は妻と死別した妻又は夫でその年においてひとり親に該当するものについては、たとえその者が死別した夫又は妻につき配偶者控除の規定の適用を受ける場合であっても、ひとり親控除の規定の適用があることに留意する。