日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2020年05月23日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
住宅取得等資金の贈与税の非課税特例について、住宅建築の工期が新型コロナウイルスにより延期されたことにより、居住期限要件・新築期限要件を満たさなくなったとしても、既存の規定(災害を受けたときの贈与税の取扱い)によって、延長が認められています。
平成29年度税制改正において、平成28年4月1日以後に発生した災害(災害とは、震災、風水害、火災、冷害、雪害、干害、落雷、噴火その他の自然現象の異変による災害及び鉱害、火薬類の爆発その他の人為による異常な災害並びに害虫、害獣その他の生物による異常な災害をいいます。)について措置が取られているようで、
新型コロナウイルスによる影響も災害として整理され、同制度の対象になるようです。
令和1年の雑損控除や災害減免の特例に続き、災害関連の規定があらためて注目されているので条文も確認してみました。
タックスアンサー
No.8007 災害を受けたときの贈与税の取扱い
4 「住宅取得等資金の贈与税の非課税」又は「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」等の適用に係る災害に関する税制上の措置
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(2) 居住期限等の延長
1 住宅取得等資金の贈与を受けて住宅用の家屋の新築等をした人が、その贈与を受けた年の翌年3月15日後遅滞なくその住宅用の家屋を居住の用に供することが確実であると見込まれることにより、住宅取得等資金の贈与税の特例の適用を受けた場合において、災害に基因するやむを得ない事情により、贈与を受けた年の翌年12月31日までに居住することができなかったときには、居住期限が1年延長(贈与を受けた年の翌々年12月31日までにその住宅用の家屋に居住すること)され、住宅取得等資金の贈与税の特例の適用を受けることができます。
2 贈与により金銭の取得をした人が、その金銭を住宅用の家屋の新築等の対価に充てて新築等をする場合には、災害に基因するやむを得ない事情により、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅用の家屋の新築等ができなかったときには、取得期限と居住期限が1年延長(贈与を受けた年の翌々年3月15日までにその住宅用の家屋の新築等をし、贈与を受けた年の翌々年12月31日までにその住宅用の家屋に居住すること)され、住宅取得等資金の贈与税の特例の適用を受けることができます。
租税特別措置法
(直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税)
第七十条の二
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10 住宅取得等資金について第一項の規定の適用を受けた特定受贈者が、贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年三月十五日後において、次に掲げる場合に該当するときにおける第四項の規定の適用については、同項各号中「同年十二月三十一日」とあるのは、「当該贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌々年十二月三十一日」とする。
一 当該特定受贈者が第一項第一号に定めるところにより住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得をして当該特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年三月十五日後遅滞なくこれらの住宅用家屋を当該特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれることにより同項の規定の適用を受けた場合において、災害に基因するやむを得ない事情によりこれらの住宅用家屋を同年十二月三十一日までに当該特定受贈者の居住の用に供することができなかつたとき。
二 当該特定受贈者が第一項第二号に定めるところにより既存住宅用家屋を当該特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年三月十五日後遅滞なく当該特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれることにより同項の規定の適用を受けた場合において、災害に基因するやむを得ない事情により当該既存住宅用家屋を同年十二月三十一日までに当該特定受贈者の居住の用に供することができなかつたとき。
三 当該特定受贈者が第一項第三号に定めるところにより増改築等をした住宅用の家屋を当該特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年三月十五日後遅滞なく当該特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれることにより同項の規定の適用を受けた場合において、災害に基因するやむを得ない事情により当該住宅用の家屋を同年十二月三十一日までに当該特定受贈者の居住の用に供することができなかつたとき。
11 適用期間内にその直系尊属からの贈与により金銭の取得をした個人が、当該金銭を住宅用の家屋の新築若しくは取得又はその者が所有している住宅用の家屋につき行う増築(改築その他の工事を含む。)の対価に充てて当該新築若しくは取得又は増築をする場合には、災害に基因するやむを得ない事情により当該贈与により金銭の取得をした日の属する年の翌年三月十五日までに当該新築若しくは取得又は増築ができなかつたときであつても、当該個人は、この条の規定の適用を受けることができる。この場合において、第一項各号、第四項及び第七項中「翌年三月十五日」とあるのは、「翌々年三月十五日」とする。