日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2020年06月06日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
税務通信№3607号より
未公表裁決事例(令和1年10月4日裁決)より
従業員が、勤める法人に対して、自身の親族名義で外注費の架空請求をした、という事案
これに対して税務署は、従業員の不正(仮装隠蔽)行為は法人の不正に該当するため、重加算税の対象となるとの処分をした。
審判所は、法人の従業員等の納税者(本事例では法人)以外の者が仮装隠蔽したとしても、それが納税者の行為と同視できる場合には、納税者本人に対して重加算税を賦課することはできる、との考えを前提に、
本事例は、その従業員の経営への参画状況、不正の内容より、納税者の行為と同視できないと判断している。
ただし、納税者(法人)の管理監督が不十分であった点については一言そえられているので、納税者自身の不正と同視されないためにも、請求書のダブルチェック、現金残のダブルチェックなど、従業員の管理監督には十分に配慮したいところです。
2020年05月31日|近藤会計
今年も梅の時期です♪
税理士の近藤慎之助です
月刊税理士2019年12月号笹岡先生の連載より、
平成30年4月17日裁決なのですが、
詳細は記事をご確認頂くとして、
対象地とその周辺の状況をしっかりと確認することを前提として、
特に
1.市街化区域との距離
2.対象地周辺の宅地の状況
3.対象地が建築基準法上の道路に接しているかどうか
4.農転許可を受けているかどうか
5.固定資産税評価額の算定式
が重要とのことで、
農転許可は農業委員会に確認する必要がありますが、
やぶへびになることもあるので、税務課等の固定資産税評価額の確認時に
農転許可がとられているかどうか確認できることもあるので、
農業委員会より先に確認しています。
2020年05月31日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
月刊税理2020年2月号税理士業務のヒヤリハット(下見佐和子先生)の記事より
居住用建物の建築中に相続が開始した場合の小規模宅地等の特例の適用についてですが、
こういった場面にあたることは少ないとおもいますし、私の経験でも旧家屋を取り壊して、
取り壊し中は近くの賃貸物件に居住し、建築完成後引越ているケースしかないので、
もし掲載されているようなケースに遭遇したらヒヤリとする可能性は十分あるなと、、、
(事業用建物等の建築中等に相続が開始した場合)
69の4-5 被相続人等の事業の用に供されている建物等の移転又は建替えのため当該建物等を取り壊し、又は譲渡し、これらの建物等に代わるべき建物等(被相続人又は被相続人の親族の所有に係るものに限る。)の建築中に、又は当該建物等の取得後被相続人等が事業の用に供する前に被相続人について相続が開始した場合で、当該相続開始直前において当該被相続人等の当該建物等に係る事業の準備行為の状況からみて当該建物等を速やかにその事業の用に供することが確実であったと認められるときは、当該建物等の敷地の用に供されていた宅地等は、事業用宅地等に該当するものとして取り扱う。
なお、当該被相続人と生計を一にしていたその被相続人の親族又は当該建物等若しくは当該建物等の敷地の用に供されていた宅地等を相続若しくは遺贈により取得した当該被相続人の親族が、当該建物等を相続税の申告期限までに事業の用に供しているとき(申告期限において当該建物等を事業の用に供していない場合であっても、それが当該建物等の規模等からみて建築に相当の期間を要することによるものであるときは、当該建物等の完成後速やかに事業の用に供することが確実であると認められるときを含む。)は、当該相続開始直前において当該被相続人等が当該建物等を速やかにその事業の用に供することが確実であったものとして差し支えない。(平19課資2-7、課審6-5、平19課資2-9、課審6-11、平20課資2-1、課審6-1、平22課資2-14、課審6-17、徴管5-10改正)
(注) 当該建築中又は取得に係る建物等のうちに被相続人等の事業の用に供されると認められる部分以外の部分があるときは、事業用宅地等の部分は、当該建物等の敷地のうち被相続人等の事業の用に供されると認められる当該建物等の部分に対応する部分に限られる。
(居住用建物の建築中等に相続が開始した場合)
69の4-8 被相続人等の居住の用に供されると認められる建物(被相続人又は被相続人の親族の所有に係るものに限る。)の建築中に、又は当該建物の取得後被相続人等が居住の用に供する前に被相続人について相続が開始した場合には、当該建物の敷地の用に供されていた宅地等が居住用宅地等に当たるかどうか及び居住用宅地等の部分については、69の4-5((事業用建物等の建築中等に相続が開始した場合))に準じて取り扱う。(平20課資2-1、課審6-1、平22課資2-14、課審6-17、徴管5-10改正)
(注) 上記の取扱いは、相続の開始の直前において被相続人等が自己の居住の用に供している建物(被相続人等の居住の用に供されると認められる建物の建築中等に限り一時的に居住の用に供していたにすぎないと認められる建物を除く。)を所有していなかった場合に限り適用があるのであるから留意する。
2020年05月30日|近藤会計
これから田植えです!
税理士の近藤慎之助です
月刊税理2020年2月号の山田俊一先生の連載より、
人身傷害補償保険についてですが、そもそもこの保険自体をはっきりと認識していませんでした。
自動車保険全体をあまり把握していないこともあるのかもしれませんが、自分自身の自動車関係の保険は十分だったのかと、、、
相手側に対する保険(対人賠償保険、対物賠償保険)には十分に加入していても自分の死傷リスクは足りていたのか、
・搭乗者の死傷に対して保険金が給付される
・過失割合に関係なく損害額が保険金として給付される
・上記の内容から、示談交渉を待つ必要が無い
そしてこの人身傷害補償保険の課税関係は状況に応じてかなり複雑になるようです、
相手方の損害賠償金相当と自己の過失割合に対応する保険金の課税関係を区別する必要がある。
うーん、やはり保険金に対する課税は保険会社に確認するなど十分な注意が必要です。
2020年05月27日|近藤会計
税理士の近藤慎之助です
月刊税理5月号の笹岡先生の連載中の記事より、
相当の地代による賃貸借に該当するかなどが争われた裁決の紹介をされています
相当の地代は同族会社と親族間等が多いと思われますが、純粋な第三者間でもあり得るわけでして、賃貸借契約の全件について検討するのは実務上不可能でしょうから悩ましかったりします、、、
相続開始時点で相当の地代と思われるような、土地の評価額に比して地代が高いと思われる案件については積極的に確認すること、相続人に地代が高いようだが経緯を知っているかを確認する等して適正に評価できるようにしないといけないということでしょう、、、
ちなみに、記事中の裁決事例では相続開始時における地代割合は約9.38%となっています。感覚的にも高い地代であることが分かります。