日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2022年12月03日|近藤会計
国税速報令和4年11月21日 第6732号 QA疑問相談より
今までもやもやしている点について言及されており、スッとした気持ちでいます
「~その制定の経緯からして、配当所得又は利子所得に対する源泉徴収を意味しており~」
平成20年分まで(平成21年以降税制改正)は、公募株式投資信託の解約について配当所得とされる金額に対する源泉徴収を想定していると、
紙面は図解もあり、分かりやすくなっていますのでご一読を、、、
平成20年の税制改正 金融所得課税の一体化が影響しているとは、制度の趣旨経緯を追うことの重要性をあらためて感じました
結局のところ199(2)は私募投資信託等を射程にしているとのことですが、私募はほとんどないからなぁ
財産評価基本通達199
(2) (1)以外の証券投資信託の受益証券
課税時期において解約請求等により、証券会社などから支払いを受けることができる価額として、次の算式により計算した金額によって評価します。
この場合において、例えば、1万口当たりの基準価額が公表されている証券投資信託については、算式中の「課税時期の1口当たりの基準価額」を「課税時期の1万口当たりの基準価額」と、「口数」を「口数を1万で除して求めた数」と読み替えて計算した金額とします。
また、課税時期の基準価額がない場合には、課税時期前の基準価額のうち、課税時期に最も近い日の基準価額を課税時期の基準価額として計算します。
課税時期の1口当たりの基準価格×口数-課税時期において解約請求等した場合に源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額-信託財産留保額及び解約手数料(消費税額に相当する額を含む。)
2022年11月27日|近藤会計
11月14日№3728
税務通信小北大樹先生の記事より
最新 未公表裁決
国税不服審判所 令和4年6月16日裁決
法務局で作成していただく法定相続情報一覧図が誤って作成されたことにより、相続税の申告で無申告者が出て加算税が課されてしまった裁決事例
まあ相続人が増えたことで全体としての相続税額としては減額されているのだとは思いますが、加算税が納得いかないと
しかも、縁組前出生だけど、直系卑属の案件のようで、あらためて気を付けないといけない論点です
確かに法務局が誤るとは思いもよりませんので、そのため、結論としては、無申告であることに「正当な理由」があるとして、加算税の取り消しとなっているようです
裁決までいかないとなかなか取り消されない、というのも「正当な理由」の主張の難しさで、
本誌でも「正当な理由」による免除はあくまで例外的な措置であること、との記載と
今までの「正当な理由」と認められない裁決が列挙されていますのでご一読ください。
それにしても、
納税者の申請した相続人一覧図は合っていて、法務局で訂正の指導が入り、それに対して自分の知識が正しいと
抗える方がどれほどいるか、、、恐ろしい事案です
2022年11月06日|近藤会計
宗教法人が、収益物件である土地の寄付を受けた場合の宗教法人の課税関係と、
宗教法人へ不動産を寄付した場合の譲渡所得等の非課税特例の取り扱いについて
質疑応答事例そのままですが、リンクを付けておこうかと
公益法人等が収益事業に使用している土地の寄附を受けた場合の課税関係
・・・公益法人等の収益事業は限定列挙されていますが、その中に不動産の贈与を受けたことによる寄付金収入は原則入らない。贈与を受けた不動産が収益物件かどうかは、この取り扱いに影響しない
公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の非課税の特例のあらまし
・・・寄付した側で必要書類を集めるなどの手続きが必要ですが、宗教法人の協力も欠かせないことになって、大掛かりですよね
まずは税務署との事前相談からでしょうか
法人税法
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
六 公益法人等 別表第二に掲げる法人をいう。
別表第二 公益法人等の表(第二条、第三条、第三十七条、第六十六条、附則第十九条の二関係)
宗教法人
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)
商工会議所
商工会議所法(昭和二十八年法律第百四十三号)
税理士会
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)
日本税理士会連合会
税理士法
2022年11月05日|近藤会計
今年も税理士賠償保険事例の時期になりました
事例は毎年ほとんど変わりがないですね
消費税は兎に角気を付けようと思いますが、
居住用賃貸建物の取得等に係る仕入税額控除の制限からの、居住用賃貸建物の取得等に係る消費税額の調整計算など
新しい取り扱いも増えていますから、知識を更新しないと、、、
1.個人成りした際に、法人から引き継ぎに伴う消費税の還付の取り扱いについて、個人は以前から不動産賃貸業を営んでいたから、
課税事業者選択届出書の提出期限は前年末であった。当人への聞き取りは大事ですね
2.上場株式の配当所得の有利不利判定は丁寧に
3.居住用財産の買い替え等の場合の譲渡損失の損益通算
譲渡損失だから気にしない、ではダメ!肝に銘じて、、、
4.相続で取得した不動産の減価償却計算の誤りは毎年あるので、実務上誤りが多いのでしょうね
5.小規模宅地等の特例のいわゆる家なき子の判定で、国外に居住家屋を持っていても、対象になり得る点は気を付けないといけないですね
6.上記3と同じ、居住用財産の買い替え等の場合の譲渡損失の損益通算の論点ですが、こちらは事前税務相談保険の事例
居住用不動産の買い替えの相談の際に、購入物件について住宅ローン借り入れをした方がよいかどうかの相談を受けており、
住宅ローン借り入れていれば譲渡損失の損益通算特例が適用できた事案
旧住宅が売却益か損かもわかっていない時点で、適切にアドバイスできるかどうか、他の論点より難易度高めではないでしょうか
2022年10月31日|近藤会計
新米いただきました!
相続税の税額控除に未成年者控除があります
趣旨は未成年の相続人のこれからの教育費養育費としてお金がかかるから税負担を軽減する目的かと思います
しかし、控除は18歳になるまでの年数×10万円ですから、大した控除にはならないハズ
例えば、相続人:配偶者、子1人(10歳) 遺産:1億6000万円 の場合
相続税の総額は2140万円 未成年者控除80万円 配偶者の税額軽減1070万円 実際の納税額は990万円というところでしょうか
子が未成年であれば法定相続分を取得させることはしょうがないのですが、
(もちろん受取人指定の生命保険、退職金等は別の話になりますが、割愛します)
仮に成人した大学生程度の子供に8000万円もの遺産をわたすことに抵抗を感じる親御さんは多く、その場合
配偶者が全ての遺産を取得して配偶者の税額軽減適用で相続税の納税ゼロ、という結論はよくあります。
(二次相続時の相続税を踏まえた上でも)
子が未成年なのであれば、
成人するまで分割協議を待つのも一つですが、相続税の「申告期限後3年以内の分割見込書」には期限もありますし、、、
いや、つまり何が言いたいかといいますと、未成年者控除の控除額が手厚くなるといいのにね、という話でした
子のために遺産を使わない親を想定すれば、子の2分の1の遺産の確保は必須だし、それによる相続税の負担は少ない方がいい
相続税法
(未成年者控除)
第十九条の三 相続又は遺贈により財産を取得した者(第一条の三第一項第三号又は第四号の規定に該当する者を除く。)が当該相続又は遺贈に係る被相続人の民法第五編第二章(相続人)の規定による相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)に該当し、かつ、十八歳未満の者である場合においては、その者については、第十五条から前条までの規定により算出した金額から十万円にその者が十八歳に達するまでの年数(当該年数が一年未満であるとき、又はこれに一年未満の端数があるときは、これを一年とする。)を乗じて算出した金額を控除した金額をもつて、その納付すべき相続税額とする。