日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2019年11月24日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
配偶者居住権の創設よりあらためて意識したのが
「相続させる」と「遺贈する」の文言に注意すべきということ
遺言で配偶者居住権を取得させるには原則として「遺贈」であることとしています
「遺贈」の場合は、その部分のみの遺贈の放棄が可能であることを考慮したようです
配偶者居住権の取得は分割か、遺贈か
一 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
二 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。
配偶者居住権の遺贈のみを放棄したときはおそらく消滅するのでしょうね
法律って奥が深いです
お客様より、りんごと洋ナシいただきました☆
りんごは早速おいしくいただきました、洋ナシはもう少し置いた方がよいとのこと!
ありがとうございました(>_<)
2019年11月14日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
配偶者居住権が認められる重要な要件として、
1.被相続人あるいはその配偶者が所有していた建物に相続開始時において居住していること
2.遺産分割協議等で配偶者居住権を取得したこと
例えば自宅を被相続人と配偶者以外の第三者と共有していた場合には、配偶者居住権が成立しないことになり、
このようなケースは実務で結構登場しそうに思います。
配偶者も居住する自宅を被相続人と長男が共有で所有していたような場合でしょうか。
成立しないのであれば検討の余地もありません。
その他、配偶者居住権と抵当権の関係はどうなるのだろうか、こちらも引き続き考える必要があります、、、
民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案 より抜粋
(配偶者居住権)
第1028条 被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」という。)を取得する。
ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。
一 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
二 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。
2019年10月06日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
タイトルの論点は昔から取り扱いは変わっていないと思いますが、あらためて注意しておきたい論点、と思ったのですが、、、
下記のような質疑応答事例がありますが、これは小規模宅地等の特例のうち貸付事業用宅地等について
土地の評価上自用地評価としている土地についてもを適用して良いかどうかの判断になりますから少し論点が違います。
被相続人の共有持分
戸建貸家3分の2
土地 2分の1
この場合に自己の所有部分に優先して貸家を建てているものと考えて貸家建付地評価することができる、
という取り扱いが一般的ですが、何を基にそのような取り扱いなのかいまいち不明だったりします。
例えば、平成26年5月13日札幌地裁判決や裁決等で、土地と建物の共有割合が同じときに
当然に土地を貸家建付地評価しているのですが、これは民法の249条を基にしているのでしょうか、、、
はっきり分かり次第あらためてまとめたいと思います。
共有家屋(貸家)の敷地の用に供されていた宅地等についての小規模宅地等の特例の選択
【照会要旨】
夫に相続が開始したので、下の図のような貸家の敷地の用に供されていた宅地等について小規模宅地等の特例の適用を考えています(貸家の共有持分及び宅地等は妻(夫と生計を一にしています。)が全て相続により取得し、取得した家屋について妻が貸付事業を申告期限までに行っています。)。この場合、この宅地等のうち240平方メートル(夫の家屋の持分に対応する部分)は貸家建付地評価となり、160平方メートル(妻の家屋の持分に対応する部分)は自用地評価となりますが、特例の適用に当たっては、自用地部分160平方メートルと貸家建付地のうち40平方メートルの計200平方メートルについて適用することとして差し支えありませんか。
【回答要旨】
夫の家屋に対応する部分だけでなく、妻の家屋の持分に対応する部分について、小規模宅地等の特例の対象となり、照会意見のとおり解して差し支えありません。
(共有物の使用)
第249条
各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
2019年09月22日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
なぜ申告期限までに前の相続の分割協議がまとまれば遺産に計上不要なのか、
あらためて考えるとなぜだろうと、、、考えていたのですが、
そもそも通常の相続税申告自体も相続開始日には分割が確定しておらず、
相続税の申告期限までに分割が確定すればそれに基づいて申告をするわけで、
その理解と同じで、前の相続の分割協議は今回の相続税の申告期限までに分け方が決まれば
前の相続開始時にさかのぼって分割が確定する、といった単純な理解で良いのですよね
(遺産の分割の効力)
第909条 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2019年09月06日|近藤会計
生前贈与を受けた際に相続時精算課税を選択された方もいらっしゃると思うのですが、
相続時精算課税を選択したことを必ずしも覚えているわけではないことも多いと思います
しかも相続放棄を選択した相続人は、意外に放棄した時点でホッとしてしまっているのではないでしょうか
相続放棄したとしても相続時精算課税適用財産は相続財産に加算が必要ですし、相続放棄したとしても相続税の申告が必要になりますから注意が必要です。
税理士としては、相続人代表者と連絡を取り合い相続税の申告書を作成していきますが、相続放棄を選択した相続人に対しても相続時精算課税制度の選択の有無は必ず確認が必要ということになります。
あるいは相続人全員と連絡が取れない状況にあれば、開示請求は必ず行う方が良いのだと思います。
なお、3年以内贈与加算は、
「相続等により財産を取得した者が当該相続の開始前3年以内に当該相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合においては~」
とありますから、
相続放棄している場合にはみなし相続財産を取得している場合を除き、3年以内贈与による相続税の申告は必要ないと思います。
さらにさらに、その被相続人を特定贈与者とする相続時精算課税適用者は、
同人からの3年以内贈与加算もある場合には、
3年以内贈与加算の適用となります。ここまでくると混乱してきます。
また、孫への生前贈与において孫が相続時精算課税を選択していたとしたら、
孫は相続税の2割加算(※)の対象となりますので、こちらも注意が必要です。
※2割加算となるのは、被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の方が遺産を取得した場合です。
相続放棄と相続時精算課税と3年以内贈与加算とさらに2割加算の論点は複雑に絡んでいるので、一度まとめる必要がありそうです。