日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2024年01月07日|近藤会計
あらためて今年もよろしくお願いいたします!
相続開始年の住宅取得等資金贈与について
これはありそうな税理士賠償ですね、、、
TAmasterNo1007より
相続税の申告を受任した税理士に対して、
納税者自身でした住宅取得等資金贈与が、相続開始年の当年贈与に該当し、かつ
要件を満たさなかったために、単純な暦年贈与になり、遺産に加算されてしまったため、
賠償を求めた事案。
贈与資金で購入した土地を居住に供する前に売却してしまったということでしょうか、、、?
住宅取得等資金贈与の申告は税理士では受任していないため、意識が薄れていたこともあるのかも
しれませんが、
同特例適用には、居住要件や合計所得金額要件もありますし、当然に申告を期限までにしていることが前提にあります。
つまり、相続税の申告を適正にするには、住宅取得資金等贈与の申告と相続税の申告は切り離せないのだと思います。
相続税の申告は、相続人の方との密なコミュニケーションが必要であることをあらためて確認させられます。
2022年12月03日|近藤会計
国税速報令和4年11月21日 第6732号 QA疑問相談より
今までもやもやしている点について言及されており、スッとした気持ちでいます
「~その制定の経緯からして、配当所得又は利子所得に対する源泉徴収を意味しており~」
平成20年分まで(平成21年以降税制改正)は、公募株式投資信託の解約について配当所得とされる金額に対する源泉徴収を想定していると、
紙面は図解もあり、分かりやすくなっていますのでご一読を、、、
平成20年の税制改正 金融所得課税の一体化が影響しているとは、制度の趣旨経緯を追うことの重要性をあらためて感じました
結局のところ199(2)は私募投資信託等を射程にしているとのことですが、私募はほとんどないからなぁ
財産評価基本通達199
(2) (1)以外の証券投資信託の受益証券
課税時期において解約請求等により、証券会社などから支払いを受けることができる価額として、次の算式により計算した金額によって評価します。
この場合において、例えば、1万口当たりの基準価額が公表されている証券投資信託については、算式中の「課税時期の1口当たりの基準価額」を「課税時期の1万口当たりの基準価額」と、「口数」を「口数を1万で除して求めた数」と読み替えて計算した金額とします。
また、課税時期の基準価額がない場合には、課税時期前の基準価額のうち、課税時期に最も近い日の基準価額を課税時期の基準価額として計算します。
課税時期の1口当たりの基準価格×口数-課税時期において解約請求等した場合に源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額-信託財産留保額及び解約手数料(消費税額に相当する額を含む。)
2022年11月27日|近藤会計
11月14日№3728
税務通信小北大樹先生の記事より
最新 未公表裁決
国税不服審判所 令和4年6月16日裁決
法務局で作成していただく法定相続情報一覧図が誤って作成されたことにより、相続税の申告で無申告者が出て加算税が課されてしまった裁決事例
まあ相続人が増えたことで全体としての相続税額としては減額されているのだとは思いますが、加算税が納得いかないと
しかも、縁組前出生だけど、直系卑属の案件のようで、あらためて気を付けないといけない論点です
確かに法務局が誤るとは思いもよりませんので、そのため、結論としては、無申告であることに「正当な理由」があるとして、加算税の取り消しとなっているようです
裁決までいかないとなかなか取り消されない、というのも「正当な理由」の主張の難しさで、
本誌でも「正当な理由」による免除はあくまで例外的な措置であること、との記載と
今までの「正当な理由」と認められない裁決が列挙されていますのでご一読ください。
それにしても、
納税者の申請した相続人一覧図は合っていて、法務局で訂正の指導が入り、それに対して自分の知識が正しいと
抗える方がどれほどいるか、、、恐ろしい事案です
2022年10月31日|近藤会計
新米いただきました!
相続税の税額控除に未成年者控除があります
趣旨は未成年の相続人のこれからの教育費養育費としてお金がかかるから税負担を軽減する目的かと思います
しかし、控除は18歳になるまでの年数×10万円ですから、大した控除にはならないハズ
例えば、相続人:配偶者、子1人(10歳) 遺産:1億6000万円 の場合
相続税の総額は2140万円 未成年者控除80万円 配偶者の税額軽減1070万円 実際の納税額は990万円というところでしょうか
子が未成年であれば法定相続分を取得させることはしょうがないのですが、
(もちろん受取人指定の生命保険、退職金等は別の話になりますが、割愛します)
仮に成人した大学生程度の子供に8000万円もの遺産をわたすことに抵抗を感じる親御さんは多く、その場合
配偶者が全ての遺産を取得して配偶者の税額軽減適用で相続税の納税ゼロ、という結論はよくあります。
(二次相続時の相続税を踏まえた上でも)
子が未成年なのであれば、
成人するまで分割協議を待つのも一つですが、相続税の「申告期限後3年以内の分割見込書」には期限もありますし、、、
いや、つまり何が言いたいかといいますと、未成年者控除の控除額が手厚くなるといいのにね、という話でした
子のために遺産を使わない親を想定すれば、子の2分の1の遺産の確保は必須だし、それによる相続税の負担は少ない方がいい
相続税法
(未成年者控除)
第十九条の三 相続又は遺贈により財産を取得した者(第一条の三第一項第三号又は第四号の規定に該当する者を除く。)が当該相続又は遺贈に係る被相続人の民法第五編第二章(相続人)の規定による相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)に該当し、かつ、十八歳未満の者である場合においては、その者については、第十五条から前条までの規定により算出した金額から十万円にその者が十八歳に達するまでの年数(当該年数が一年未満であるとき、又はこれに一年未満の端数があるときは、これを一年とする。)を乗じて算出した金額を控除した金額をもつて、その納付すべき相続税額とする。
2022年10月26日|近藤会計
早生柿をいただきました♪
臨時増刊号 いろいろな論点がまとまっておもしろかったです
特に
1.現金・金銭債権・預金・株式等の相続の効果
現金、預貯金、株式、国債等・・・遺産分割の対象。預貯金に関しては当然分割から遺産分割対象になり、分割の不公平さがなくなった反面、分割前の時点での払出しが難しくなりましたね
金銭債権・・・当然分割。預貯金も金銭債権だけれども、平成28年の最高裁で遺産分割対象とされたという、例外扱いという整理なのですね
2.半血兄弟姉妹と全血兄弟姉妹
平成25年に嫡出子と非嫡出子の相続分は均等とされたのは皆さんご存じかと思いますが、
それではなぜ半血兄弟はいまでも全血兄弟の2分の1なのか。
嫡出子と非嫡出子は親から子への相続であるのに対して、半血、全血は兄弟姉妹の間の相続であるため、その点が考慮されているのではないかと、なるほどです
上記以外にも
.遺産分割協議のやり直しについて
.遺留分侵害額請求権に対して金銭の支払いができない場合の問題
.相続分の譲渡
.共有持分の帰属と特別縁故者の財産分与
盛りだくさんでした