日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2022年10月17日|近藤会計
ナツメ
確定拠出年金の一時金は退職手当金等に含まれます
支給報告書を確認して、確定拠出年金だと気が付くことが大切です
確定拠出年金の記録関連運営管理機関は次の4社ということでいいのでしょうか?
今までの相続税の申告で出てきたのはJIS&Tだけですが、退職手当等であれば非課税枠の適用がありますから
十分に注意したいと思います
ちなみにいままでの確定拠出年金は企業型でした
・日本インベスターソリューション&テクノロジー(株)JIS&T
・損保ジャパンDC証券(株)
・日本レコードキーピングネットワーク(株)NRK
・SBIベネフィットシステムズ(株)
相続人ではない親族が受け取られることも考えられるので、相続税の申告時にはその点も注意が必要です
相続税法施行令
(退職手当金等に含まれる給付の範囲)
七 確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第四条第三項(企業型年金規約)に規定する企業型年金規約又は同法第五十六条第三項(個人型年金規約)に規定する個人型年金規約に基づいて支給を受ける一時金
確定拠出年金法
第四款 死亡一時金
(支給要件)
第四十条 死亡一時金は、企業型年金加入者又は企業型年金加入者であった者(当該企業型年金に個人別管理資産がある者に限る。)が死亡したときに、その者の遺族に、資産管理機関が企業型記録関連運営管理機関等の裁定に基づいて、支給する。
(遺族の範囲及び順位)
第四十一条 死亡一時金を受けることができる遺族は、次に掲げる者とする。ただし、死亡した者が、死亡する前に、配偶者(届出をしていないが、死亡した者の死亡の当時事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。以下この条において同じ。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹のうちから死亡一時金を受ける者を指定してその旨を企業型記録関連運営管理機関等に対して表示したときは、その表示したところによるものとする。
一 配偶者
二 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって死亡した者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持していたもの
三 前号に掲げる者のほか、死亡した者の死亡の当時主としてその収入によって生計を維持していた親族
四 子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって第二号に該当しないもの
2 前項本文の場合において、死亡一時金を受けることができる遺族の順位は、同項各号の順位により、同項第二号及び第四号に掲げる者のうちにあっては同号に掲げる順位による。この場合において、父母については養父母、実父母の順とし、祖父母については養父母の養父母、養父母の実父母、実父母の養父母、実父母の実父母の順とする。
3 前項の規定により死亡一時金を受けることができる遺族に同順位者が二人以上あるときは、死亡一時金は、その人数によって等分して支給する。
4 死亡一時金を受けることができる遺族がないときは、死亡した者の個人別管理資産額に相当する金銭は、死亡した者の相続財産とみなす。
5 死亡一時金を受けることができる者によるその権利の裁定の請求が死亡した者の死亡の後五年間ないときは、死亡一時金を受けることができる遺族はないものとみなして、前項の規定を適用する。
2022年10月02日|近藤会計
国税速報 令和4年9月26日 第6724号の非公開裁決事例の記事よりご紹介です
生命保険料の負担者により受け取った死亡保険金の課税関係が変わりますので
負担者の確認は重要になります
当該裁決は、被相続人が契約者であったが、請求人は被相続人の配偶者が実質的な保険料負担者なので
相続税の課税対象ではない、と主張していますが斥けられています
被相続人から配偶者に渡された生活費の余剰を保険料の支払いに充てていた状況で、
その配偶者には自らの収入はなかったことから、その金員は配偶者の特有財産とは認められないとしている
ところで、こういったケースだと相続税の課税の方が、税負担としては少ないケースが多い気がしています
仮に配偶者が自身の金員で保険対象を被相続人として保険契約をしていたら一時所得ですが、
裁決の事例のように保険料支払い完了が昭和59年頃で、死亡保険金2200万円の支払いが平成28年、
一時所得としての負担もそれなりではないかと思うのですが、相続税の適用税率が高いのでしょう
また、当該保険契約時の状況について郵便局員の担当者に聞き込みしているようで、
昭和49年などの契約についてよく覚えていたなと思いますが、ここまで確認することは気にしておきたいと思います
2022年09月26日|近藤会計
国税速報令和4年9月19日 第6723号より
受取人指定のない生命保険金及び死亡退職金の帰属の非公開裁決事例の紹介です
なお、死亡退職金は公立学校職員退職金です
いずれも、受取人指定なしの場合の取り扱いについては、
条例や約款に基づく受取人に帰属する、という結論で
これは実務上頻出の場面かと思いますが、
約款の確認あるいは保険会社への確認は少なくとも相続人に確認してもらう必要があったりするので、
平日に一緒に保険会社に連絡してしまうのが手っ取り早い解決方法でしょうか、、、
死亡保険金に限らず個人年金保険の未払年金の受取人取扱も含めて、民法の取り扱いと大きく異なることもありますから、丁寧な確認作業が求められます。
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2022年05月15日|近藤会計
今までそのような事案もないのですが
死亡一時金のようなものの支給元が生命保険会社以外であった場合の課税について
考えたことがありませんでした。
相続税法第3条第1項で言う生命保険契約の保険金とは「保険業法に規定する生命保険会社と締結した保険契約」となっています
つまりこれらの保険会社との保険契約以外の契約に基づく契約により支給される死亡一時金なりは
「相続により取得したものとみなす」対象から外れることになる
ちなみに相続税法第3条第1項で言う保険金は相続税法第12条で一定額非課税となります
被相続人の死亡に基づき、生命保険会社以外のどこかの団体から支給された死亡一時金をイメージしています
相続税法
(相続又は遺贈により取得したものとみなす場合)
第三条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該各号に掲げる者が、当該各号に掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみなす。この場合において、その者が相続人(相続を放棄した者及び相続権を失つた者を含まない。第十五条、第十六条、第十九条の二第一項、第十九条の三第一項、第十九条の四第一項及び第六十三条の場合並びに「第十五条第二項に規定する相続人の数」という場合を除き、以下同じ。)であるときは当該財産を相続により取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす。
一 被相続人の死亡により相続人その他の者が生命保険契約(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第三項(定義)に規定する生命保険会社と締結した保険契約(これに類する共済に係る契約を含む。以下同じ。)その他の政令で定める契約をいう。以下同じ。)の保険金(共済金を含む。以下同じ。)又は損害保険契約(同条第四項に規定する損害保険会社と締結した保険契約その他の政令で定める契約をいう。以下同じ。)の保険金(偶然な事故に基因する死亡に伴い支払われるものに限る。)を取得した場合においては、当該保険金受取人(共済金受取人を含む。以下同じ。)について、当該保険金(次号に掲げる給与及び第五号又は第六号に掲げる権利に該当するものを除く。)のうち被相続人が負担した保険料(共済掛金を含む。以下同じ。)の金額の当該契約に係る保険料で被相続人の死亡の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分
保険業法 一部抜粋
(定義)
第二条
3 この法律において「生命保険会社」とは、保険会社のうち第三条第四項の生命保険業免許を受けた者をいう。
4 生命保険業免許は、第一号に掲げる保険の引受けを行い、又はこれに併せて第二号若しくは第三号に掲げる保険の引受けを行う事業に係る免許とする。
一 人の生存又は死亡(当該人の余命が一定の期間以内であると医師により診断された身体の状態を含む。以下この項及び次項において同じ。)に関し、一定額の保険金を支払うことを約し、保険料を収受する保険(次号ハに掲げる死亡のみに係るものを除く。)
2022年05月06日|近藤会計
これはあらためて気を付けないといけないと思い抜き出しました
調整区域内に所在した特例適用農地について、都市計画の変更等により特定市街化区域農地等に該当することとなった場合には、猶予期限が確定することになり、その日から2ヵ月を経過する日までに猶予税額と利子税の納付が必要になります
特定市街化区域農地等とは、いわゆる三大都市圏特定市の市街化区域内農地のことですから、小田原税務署管轄では、小田原市、南足柄市ということになるでしょうか
では三大都市圏特定市の市街化区域内農地について生産緑地の指定を受けたらどうか、、、それが第21項ということですね
最近周辺市町村の市街化区域編入が気になっています、市街化区域に編入して納税猶予が確定したとして、期待した売却価格になったりするのでしょうか、、少し恐ろしいです
納税猶予の規定は難しすぎるように感じていますが、、、
租税特別措置法
(農地等についての相続税の納税猶予及び免除等)
第七十条の六
8 第一項の規定の適用を受ける農地又は採草放牧地の全部又は一部につき当該農地又は採草放牧地に係る農業相続人の死亡等の日(当該死亡等の日前に同項各号のいずれかに掲げる場合に該当することとなつた場合には、当該各号に定める日)前に次の各号に掲げる場合に該当することとなつた場合には、納税猶予分の相続税額のうち当該各号に規定する買取りの申出若しくは指定の解除又は告示若しくは事由(以下この条において「買取りの申出等」という。)に係る農地又は採草放牧地に係る農業投資価格控除後の価額に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額に相当する相続税(以下この条において「特定農地等に係る相続税」という。)については、同項の規定にかかわらず、当該各号に定める日の翌日から二月を経過する日(当該買取りの申出等があつた後同日以前に当該農業相続人が死亡した場合には、当該農業相続人の相続人が当該農業相続人の死亡による相続の開始があつたことを知つた日の翌日から六月を経過する日)をもつて同項の規定による納税の猶予に係る期限とする。
一 当該農地又は採草放牧地が都市営農農地等である場合において、当該都市営農農地等について次に掲げる場合に該当したとき
・・・当該買取りの申出があつた日又は当該指定の解除があつた日
イ 生産緑地法第十条(同法第十条の五の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第十五条第一項の規定による買取りの申出があつた場合
ロ 生産緑地法第十条の六第一項の規定による指定の解除があつた場合
二 当該農地又は採草放牧地が都市計画法の規定に基づく都市計画の決定若しくは変更又は政令で定める事由により、特定市街化区域農地等に該当することとなつた場合(当該変更により第七十条の四第二項第四号ロ又はハに掲げる農地でなくなつた場合を除く。)
・・・同法第二十条第一項(同法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示があつた日又は当該事由が生じた日
21 第七十条の四第十七項の規定は、第八項の場合において、第一項の規定の適用を受ける農業相続人が、第八項の買取りの申出等があつた日から一年以内に当該買取りの申出等に係る都市営農農地等若しくは特定市街化区域農地等に係る農地若しくは採草放牧地の全部若しくは一部の譲渡等をする見込みであり、かつ、当該譲渡等があつた日から一年以内に当該譲渡等の対価の額の全部若しくは一部をもつて農地若しくは採草放牧地を取得する見込みであること又は同項に規定する告示があつた日若しくは事由が生じた日から一年以内に当該告示若しくは事由に係る特定市街化区域農地等に係る農地若しくは採草放牧地の全部若しくは一部が都市営農農地等に該当することとなる見込みであることにつき、政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長の承認を受けたときについて準用する。この場合において、同条第十七項中「第一項、第四項及び第五項」とあるのは「第七十条の六第一項、第七項及び第八項」と、同項第一号中「第一項ただし書及び第四項」とあるのは「第七十条の六第一項ただし書及び第七項」と、「特定農地等」とあるのは「都市営農農地等又は特定市街化区域農地等に係る農地若しくは採草放牧地(以下この項において「特定農地等」という。)」と、同項第二号中「第五項」とあるのは「第七十条の六第八項」と、同項第三号中「第一項」とあるのは「第七十条の六第一項」と読み替えるものとする。
(農地等を贈与した場合の贈与税の納税猶予及び免除)
第七十条の四
三 特定市街化区域農地等 都市計画法第七条第一項に規定する市街化区域内に所在する農地又は採草放牧地で、平成三年一月一日において次に掲げる区域内に所在するもの(都市営農農地等を除く。)をいう。
イ 都の区域(特別区の存する区域に限る。)
ロ 首都圏整備法第二条第一項に規定する首都圏、近畿圏整備法第二条第一項に規定する近畿圏又は中部圏開発整備法第二条第一項に規定する中部圏内にある地方自治法第二百五十二条の十九第一項の市の区域
ハ ロに規定する市以外の市でその区域の全部又は一部が首都圏整備法第二条第三項に規定する既成市街地若しくは同条第四項に規定する近郊整備地帯、近畿圏整備法第二条第三項に規定する既成都市区域若しくは同条第四項に規定する近郊整備区域又は中部圏開発整備法第二条第三項に規定する都市整備区域内にあるものの区域