日常の税理士業務の中で気がついたことや、研修や書籍で得た情報を含め、雑多にアップしたいと思っております。自分の勉強ノートを公開した程度のものだとご理解ください。特に税務知識については、同じような経験をされて判断に迷われている方のお力になれればとてもうれしく思います。なお、掲載した日時点の税法であり私自身の知識・経験によりますので、最新の情報や実際の取扱い等についてはご自身にて十分にご確認下さい。
2014年12月13日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
「暦年贈与」でもう一点確認します。
平成27年から贈与税の税率が変わります。
ポイントは2点です。
まず、贈与税の税率区分が6段階から8段階になり、最高税率が50%から55%に引き上げられました。
おおまかに言うと3500万円超の贈与を行う場合には増税となります。
次に、「誰に贈与してもらったか」によって適用する税率表が変わります。
具体的には、20歳以上の人が、親や祖父母(直系尊属)から受けた贈与については、贈与税の税率が優遇されます。
つまり今後は、「父母や祖父母」から「子や孫」への贈与は税率が低くなるため、行いやすくなります。
しかしその以外の方、例えば叔父叔母から受けた贈与は、これまでと同じ税率か、高い税率になります。
そして多額の贈与を行う場合にも増税となります。
多額の贈与を検討されている方は年内に実行する方が良いかもしれませんね。
また、話は少し変わりますが、上記のとおり、平成27年から「誰に贈与してもらったか」によって、適用する贈与税の税率表が変わりますので、例えば平成27年中に、父から300万円の贈与を受け、さらに叔父から300万円の贈与を受けるような場合には、贈与税額の計算方法が改正前に比べて複雑になりますのでご注意ください。
2014年12月11日|近藤会計
小田原の税理士の近藤慎之助です。
贈与の中でもっとも有名なのが、暦年贈与です。
財産をあげる人と財産をもらう人の合意があれば成立する契約行為で、他の贈与に比べて手間がかからず、贈与税の基礎控除110万円以下の贈与であれば、申告書の提出も不要です。子や孫へのプレゼントとして、あるいは相続税対策として暦年贈与を行う方は多いようです。
しかしこの「暦年贈与の仕方」を間違えてしまうと、そもそも贈与がなかったものと判断されてしまい相続税対策にならないことがあります。
たとえば・・・
・子供名義の預金にこっそりとお金を入金したけれど、子供には知らせずに受け取る意思の確認をしていない。
・子供にお金をあげたいから、子供名義の定期預金を作ったけれども、無駄使いされては困るから、こちらで所有・管理している。
というような場合には、あげる人ともらう人の間で贈与が成立していないことになります。
つまり、この場合のお金は、あげたと思っていた親の財産として相続財産に加えられてしまい、相続税の節税にはなりません。
このようなトラブルを起こさないためには、税務署から指摘される前にあらかじめ、贈与が成立していたことを事前に十分に証明しておく必要があります。
たとえば・・・
・あげた人、もらった人の意思をはっきりさせるために贈与契約書を作成する。
・もらった財産はもらった人が管理する(通帳やその銀行印をもらった人が管理)。
そしてもらった人が自分のために費消する。
・あえて贈与税を支払う程度の贈与(基礎控除110万円超の贈与)を行い、贈与の記録を税務署に残すことも実務上行われます。
なお、暦年贈与の場合、贈与が適法に成立していても相続開始前3年以内に相続人に対して行われた贈与は相続財産に加算されることになりますので注意が必要です。
近藤会計事務所では、小田原市を中心に南足柄市、中井町、大井町、開成町、山北町、松田町の相続税や贈与税の申告に強みがあります。ぜひご相談下さい☆
2014年12月07日|近藤会計
いよいよ平成27年も近づいてきました。
一時はメディアでも「相続税大増税」などとさかんに取り上げられていましたが、最近は息を潜めているようでして、あまり目にしませんね。
それでも、相続対策として贈与に興味を持たれている方は多いようでご質問を多数いただきますので、数回に分けて「贈与」についてご紹介したいと思います。
相続対策として有名、かつ有効なのが、生前における「贈与」です。
派手な相続対策(例えば土地の利用区分を変更するとか法人を設立し財産を移転させるとか)を行うより、(実直)堅実な対策だと私は考えております。
ですので相続対策を考えていらっしゃる方にはまず贈与をご提案します。
贈与の種類としては、
・暦年贈与(最も利用しやすい贈与。意外な落とし穴に注意が必要)
・教育資金の一括贈与(キャッシュに余裕がある方向け)
・住宅取得資金の贈与(子、孫が住宅建築を検討していて適用の余地があれば、節税効果抜群)
・配偶者への居住用財産の贈与(贈与税の配偶者控除といいます。配偶者への感謝の気持ちを表せます)
・相続時精算課税制度を利用した贈与(メリットデメリットがはっきりとしていて、適用するには十二分の注意が必要)
・信託銀行等を利用した贈与(上記に記載した贈与を信託銀行等を介して行う贈与。信託商品も充実してきており、今後ポピュラーになるかもしれません)
があげられます。